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debsy shinobi

襲われた郎党は、ぴくりとも動かない。

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襲われた郎党は、ぴくりとも動かない。

襲われた郎党は、ぴくりとも動かない。

残ったのは兼親ただ一人だ。

 

イダテンは足をかばい、縄を伝って地面に降りると狼の倒れた場所まで急いだ。

喉元が黒い。帳だった。

前足から腹まで裂かれている。

 

枯草を踏みしだく音に振り向くと、肩で息をする兼親が立っていた。

分厚い胸にも大太刀を握る丸太のような腕にも、先ほどまでの力強さはない。

 

「おのれ、卑怯な……獣を使うか」

 

その後ろに人影が立った。

五尺六寸はあろう若い郎党が太刀を抜いて歩み寄る。

 

狼の唸り声を聞いて木に登った男だ。【海外植髮大比拼】淺談台灣植髮和韓國植髮 -

危険が去ったと見て、降りてきたのだろう。

木陰の下に入り表情が見えなくなった。

 

「おお、小太郎、生きておったか」

兼親は、一瞬振り返り、喜びをあらわにしたものの、すぐにイダテンに視線を戻した。なかなか用心深い。

 

「狼さえおらねば、しょせんこわっぱ。わけなく退治できよう。おまえは右に……

兼親の巨躯が、がくりとぶれた。すとんと落ちて片膝をついた。

 

何が起きたかわからないのだろう。

目の焦点も合っていない。

 

その目が、ようやく自分の腹から突き出た赤く光る物を捕えた。

それは血に濡れた太刀の切っ先だった。

 

それが小太郎と呼んだ郎党の太刀だと気づいた兼親の顔に驚きが浮かんだ。

「なぜだ……

 

声を絞り出す兼親の問いに若者が答えた。

「なにを驚いておる。目をかけてやったとでも思うておるか」

返り血を浴びた、その端正な顔にはいびつな笑みが浮かんでいた。

 

「冥土の土産に教えてやろう」

若者は、後方から、顔を兼親の耳元に寄せると、小さく息を吸い込み、ささやくように口にした。

「わしの本当の名を」

 

兼親の目が泳ぎながらも、その若者の姿を追った。

髭が震えていた。

「わしの名はじゃ……お前たちが攻めた、あの邸に親兄弟がおったのよ……おお、お前達の良く知る、頑固者のじじいもな」

 

瞬く間に兼親の衣が血に染まっていく。

義久と名乗った若者は、太刀を引き抜こうとする。

が、うまくいかない。肉が締まり、血に濡れた持ち手の柄が滑るのだ。

 

兼親の背に足をかけ、鍔に手をかけ、強引に引き抜いた。その拍子に、兼親の首にかけられていた大数珠の紐が切れ、ばらばらと音をたてながら地面を転がった。

 

太刀を引き抜かれても、片膝を着いた兼親は倒れなかった。

若者は、腹立たしげに足で背中を蹴った。

ようやく、どう、と音をたてて倒れた。

 

若者は、息を整えると、太刀を兼親の首にあてた。

名のある武将を討てば恩賞が出る。

場合によっては領地さえ手に入る。それが戦というものだ。

 

兼親は敵の副将だ。大きな手柄というべきだろう。

ただし、恩賞を与えてくれる味方の大将なり主人が生きていればだが。

 

「どこに持って行くつもりだ」

イダテンは烏帽子を剥ぎ取り、髷をつかんで兼親の首を首袋に入れようとした若者に声をかける。

 

その意味に気づいたのだろう。

月明かりの下、若者は、返り血を浴びた顔のまま口端を上げ笑った。

 

「ふん……つくづく、運のない家系よ」

投げすてられた首は、鈍い音をたてて草むらに転がり込んだ。

 

若者は、血に濡れた手と顔を端布で拭い、岩陰に隠してあった瓢箪の栓を抜いて、ぐびりと水を流し込んだ。

のがした恩賞の大きさを悔いる表情ではなかった。

 

足元にある死骸に目をやった若者は、それ以外、目に入らぬ様子で立ち尽くしていた。

同じ年頃の若い男だった。

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