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debsy shinobi

「何かあった時庇えんやろが。」

「何かあった時庇えんやろが。」

 

 

……すみません。」

 

 

初めて高杉の背中が頼もしいと思えた。三津は卑屈に考えた自分を恥じた。

そのまま高杉に先導してもらい,酒屋で酒を買った。

 

 

『あーなるほどな。』 botox小腿

 

 

高杉は三津の目的に納得した。それから散歩と称して訪れてのは宮城の墓石だった。酒を買った理由もこれだ。前に美味い酒を持って来いと赤禰に言伝ていたなと高杉は思い出した。

 

 

「宮城さん,あのね武人さんがそっちに行ってしまったんです。でも私達最期のお別れも出来てへんしお墓にも行かれへんから宮城さんに伝言お願いしたいんです。」

 

 

三津は墓に酒を供えて手を合わせながら喋りだした。高杉は隣りでじっと三津が喋るのを見ていた。

 

 

「そっちで武人さんに会えたら,ここのみんなは誰一人武人さんを疑ってないし,武人さんがおらんくなったのを悲しんでます。ずっと大切な仲間やからって伝えてもらえませんか?お願いします。」

 

 

三津はぎゅっと目を瞑って懇願した。それを見ていた高杉も同じ様に手を合わせて目を瞑った。

 

 

「宮城さん,武人はきっと凄い怨念抱えとると思う。俺らがそれをどうにかしてやろうと思っとる。やけぇそんなもん手放して楽になれって言ったってくれ。頼む。」

 

 

しばらく二人で必死に拝んだ。ひゅーっと風が吹いて二人で身を震わせた。

 

 

……伝わりますかね?」

 

 

「伝わる。絶対伝わる。だって俺らは仲間やけん。」

 

 

墓石に真っ直ぐな視線を向ける高杉の表情は朝より断然すっきりしたように見えた。

 

 

「じゃあ今日の夜呑む分のお酒買って帰りましょうか。今晩は武人さんを偲ぶ会です。みんなで存分に武人さんの好きな所語り合いましょう。」

 

 

「ええな。てか三津さんそんな大金持っとるそ?」

 

 

「真面目に働いてましたし,特に使う事もなかったんで。」

 

 

それにこつこつと貯めて,文の家を出て暮らす家を借りる為の資金にしたかったんだ。この先何があるか分からないから,無駄遣いはせずに置いとくべきなんだろうが赤禰の為なら惜しまない。

二人は小さいながらも瓶を抱えて屯所に帰った。

 

 

「えっ酒買いに散歩?」

 

 

二人を出迎えた入江は高杉が抱えた瓶を見てどこからそんな金が出たと驚いた。

 

 

「三津さんが向こうで稼いだ給金を武人の為やって使ってくれた。」

 

 

「はい,ホンマは向こうで一人で暮らす家借りる為に貯めてたけど必要なくなったんで。」

 

 

三津は特に悲観的に言った訳ではないけど入江は悲しげな顔をしていた。

 

 

「そっか……。三津にそこまで思ってもらって武人さん喜ぶわ。」

 

 

そう言ってもらえて三津は満足げに笑みを浮かべた。

 

 

「今日は武人さんの為の宴会です。高杉さんそれ台所までお願いしますねー。」

 

 

「おう。何でも手伝うけぇ何でも言えよー。」

 

 

和気あいあいとした雰囲気で廊下を歩いて行く二人を見て入江は流石だなぁと笑った。

 

 

『晋作もすっかり手玉に取られて。』

 

 

朝の尖っていたアイツは何処に行ったと喉で笑う。でもその方が屯所内の空気はいい。その為にも三津は欠かせない存在になったなぁと思った。

 

 

 

 

 

三津はせっかく赤禰の為の宴会だから赤禰の好きだった物を用意しようと思ったけど,そう言えば食の好みとか知らないと気付いた。

 

 

『毎食ほぼ献立決まってたから何が好きやったとか知らんなぁ……。』

 

 

それが凄く寂しく思えた。三津が小さく溜息をついたのを見て高杉がどうしたと顔を覗き込んだ。

 

 

「あの……武人さんの好物を並べたかったけど私武人さんの好物知らんなって思って……。」

 

 

「あー。そりゃ俺も知らん。」

 

 

「えっそうなん?」

 

 

三津は意外だなぁと呆けた顔で高杉を見ていた。三津が物憂げな表情を浮かべた理由を知って今度は高杉が小さく息を吐いた。

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